ワインと異常気象
コロナウイルスにより世界中にパンデミックが発生しましたが、それに匹敵する災害が、フランスやドイツを中心としたヨーロッパのワイン生産地域に発生しました。
世界的な異常気象によるもので、豪雨で葡萄畑が丸ごと流されたり、春先の寒波により葡萄樹の新芽が枯れてしまったりして、2021年の葡萄収穫量は半減しているそうです。
こうした異常気象による被害は、数年前から部分的に発生していました。
4年前、弊社の30年来の取引先であるシャブリのジャン・デュルップは、その葡萄畑に帯状に流れてきた寒波の直撃を受け、収穫は例年の30%に達せず、弊社への輸出は一時停止されました。
広大な畑を持ち、安定してシャブリを供給していたジャン・デュルップも、異常気象には勝てなかったのです。
弊社は毎年継続して、一定数量のシャブリをお客様にお届けしているため、シャブリの在庫を切らすことは出来ません。そこでジャン・デュルップに了解を得て、別の生産者を探しました。
探し当てたのは、ジャン・デュルップと反対側の斜面に葡萄畑を持つ、ドメーヌ・ドゥ・ヴォルーでした。窮すれば通ずで良い出会いとなりましたことは、不幸中の幸いと言えるでしょう。
それ以来4年以上経ちますが、この頃からすでに異常気象は起きていたのです。
今年の寒波は、シャンパーニュ、ロワール、アルザス、ブルゴーニュ、ローヌ、ボルドー、ラングドック・ルーションと、フランスのワイン生産地全域に渡って被害を及ぼしています。
2021年の生産量は、多くの葡萄畑で例年のほぼ半分以下となりました。しかし、フランスのワイン生産者は強かで、「量がだめなら品質で勝負」と異口同音に強調しています。
いずれにしても2021年のフランスワインは美味しく出来上がるでしょうが、
値段はどのくらい上がるか??今から心配しています。
スイックプラス歴史博士筆