DOMAINE STEPHANE DE SOUSA
ドメーヌ ステファン ドゥ スーザ
- 当主
- ステファン ドゥ スーザ
- 地域
- ブルゴーニュ
- 所在地
- コート・ドゥ・ボーヌ ムルソー
概要
ドメーヌ ドゥ・スーザは、栽培から醸造までの作業を当主一人でこなす、とても小さな新しいドメーヌです。ムルソー他ヴォルネィ、ポマールに所有する2.97haの畑には、ピノノワールとシャルドネがほぼ同比率で植えられており、赤4白2の6つのアペラシオンをトータルで年間15000本ほど生産しています。少量のため生産量の殆どがフランス国内で消費されますが、約3割ほどは、ベルギー、オランダ、そして日本に輸出しています。自他ともに認める几帳面な性格の当主ステファンの生み出す緻密な造りのワインは、評価が大変高く今後の更なる飛躍が期待されます。アシェットガイドなどの多くのフランスのワイン誌でも、注目の生産者として高い評価を受けています。
歴史
バイオテクノロジーの分野で 10年間、国際的なキャリアを積んだ後、当主ステファンは自身の生まれ故郷でワイン造りに情熱を注ぐことを決めました。この原点への回帰は、2010年のボーヌの栽培醸造学校での 2年間の技術トレーニングと、2011年のボーヌのジャン・クロード・ラトゥでのインターンシップから始まりました。2012年、母方の祖父であるギィ・ブーレが先代のアルフォンス・ブーレから受け継いで使用していたヴォルネィの醸造所兼カーヴを使用して、ネゴシアン・ワインメーカーとしてメゾン・ステファン ドゥスーザを立ち上げます。その後2013 年には最初の葡萄畑を取得、さらに、父が引退した 2014 年にムルソー、ヴォルネィ、ポマールの 約2 ヘクタールの葡萄畑を受継ぎ、ドメーヌ ステファン・ド・スーザを設立しました。
「ドメーヌの葡萄畑は 3 ヘクタール弱と非常に小規模です。小規模であることによって細心の注意を払うことができ、葡萄畑での農作業に多くの時間を費やすことができます。」という彼のワイン造りに対する信念は、仕事への忠誠心、倫理、土地と伝統の尊重、現代性と謙虚さを貫くことを物語っています。
当主よりメッセージ
私たちの畑のあるブルゴーニュは、気象条件が毎年のように大きく変化する場所であるということを認識しなければなりません。収穫時期は、8月末から10月初旬までの間で毎年のように変わり、葡萄の熟度も大きく異なることから、その状態に合わせたワイン造りをすべきと考えています。したがってミレジムごとのワインの味わいは決して一律ではありません。これらのバリエーションの中で、自然とそのバランスを信頼し、できるだけそれに付随してゆくことが大切と考え、特別なことは何もすることはありません。そして、醸造についての概念ですが、標準化することなく昔ながらの伝統に基づき、手工業的な作業を行うこととしています。
日本のソムリエのみなさんへお伝えしたいことは、私は伝統的なワイン醸造を行っており、早飲みできるような工夫は何もしていないという事です。ヴィンテージによっては、飲み頃を迎えるまで辛抱強く待つ必要がある場合もあります。 1-2年あるいはもっと多くの年数を必要とする場合もあり、その間には閉じている段階もあります。 ワインが閉じている場合は、デカンタージュを検討してみてください。1、2杯のグラスで様子を見て、5分ぐらい待ち、その後ボトル全体にデカンタが必要かどうかをご判断ください。
醸造メモ
【白ワイン】収穫は手摘み、SO2無添加で樽でのアルコール発酵およびマロラクティック発酵。
バトナージュを施し、オーク樽で11ヶ月熟成させる。15 ~ 20% 使用。
清澄、および必要に応じて軽くろ過し瓶詰。
【赤ワイン】
手摘み収穫、除梗 70 ~ 100% (キュヴェ、区画・葡萄の健康状態とヴィンテージの分析データによって異なる)
16~18℃で3~4日間の醸しの後、ピジャージュ、ルモンタージュを行いながらアルコール醗酵を行う。
その後マロラクチック発酵を行う。
18か月の熟成期間の内、12カ月はオーク樽で(15-20%新樽使用)で、6か月は発酵槽で熟成。その間1-2回の滓引き。
必要であれば軽くろ過して瓶詰する。
*1990 年代以降、醸造段階ではSO2を用いず、マロラクティック発酵後にSO2添加することで、ワインの寿命に影響することのないよう最低限の量のSO2添加に留めています。
取り扱いワイン
MEURSAULT “ LES MILLERANDS ”
ムルソー “ レ・ミルラン ”
原産地呼称 | AOC:MEURSAULT |
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品種 | シャルドネ100% |
タイプ | 白 | 平均樹齢 | 37年 |
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収穫年 | 2019 | 栽培面積 | 0.24ha |
ALC | 13.8% | 収量 | hl/ha |
生産本数 | 1150本 | 取得認証 |
土壌 | 小区画レ・ミルランはピュリニー村方向のムルソー村の出口に近い場所で標高150mの平地。 砂利の多い非常に水はけの良い粘土石灰質土壌。 |
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栽培 | 畑仕事を丁寧に行う。ビオディナミも取り入れた減農薬農法(リュットレゾネ)。肥料は堆肥を用いる。必要に応じグリーンハーベストを行う。収穫は手摘み。 |
醸造 | オークの小樽で18-22℃で10日間自然酵母によるアルコール発酵をSO2無添加で行う。その後自然に起こるマロラクティック発酵終了後にSO2を少量添加。 |
熟成 | アルデンヌとアリエ産のオーク樽を用いて12ヶ月熟成、バトナージュ有。その後3か月間ステンレスタンクにて熟成。澱引き後にSO2添加。瓶詰めは重力式にて行う。原則、清澄、ろ過は行わず瓶詰するが、19年ものは軽くろ過清澄作業を行った。 新樽の使用 20% |
味わい | 輝きのある黄金色 アーモンド、ヴァニラ、アカシア、レモンの皮 の香り/ 円やかで繊細な酸と果実味/ 複雑で繊細、バランスの良いムルソーらしい味わい |
料理 | ホタテ、フォアグラなどを使った前菜。クリーム、バターソースを使った魚介、鶏肉料理。 |
メモ | 暑く乾燥した夏の後、2019年9月13日にヴァンダンジュ。太陽を感じるミレジム。最低でも10年は熟成する力があるため、初めの3年ほどはやや閉じた印象がある可能性があります。その場合はデカンタージュをするなど少し空気に触れさせて提供してくだい。 |
BOURGOGNE COTE D’OR “ LES MAGNY ”
ブルゴーニュ コート ドール “ レ・マニー ”
原産地呼称 | AOC:BOURGOGNE COTE D’OR |
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品種 | シャルドネ100% |
タイプ | 白 | 平均樹齢 | 39年 |
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収穫年 | 入荷未定 | 栽培面積 | 0.32ha |
ALC | 12.7% | 収量 | 50hl/ha |
生産本数 | 2400本 | 取得認証 |
土壌 | 小区画レ・ミルランはピュリニー村方向のムルソー村の出口に近い場所で標高150mの平地。 砂利の多い非常に水はけの良い粘土石灰質土壌。 |
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栽培 | 畑仕事を丁寧に行う。ビオディナミも取り入れた減農薬農法(リュットレゾネ)。肥料は堆肥を用いる。必要に応じグリーンハーベストを行う。収穫は手摘み。 |
醸造 | 除梗・破砕し、葡萄についた酵母菌により、ステンレスタンク(一部小樽醗酵)で18℃-22Cで10日間発酵させてゆく。アルコール醗酵、マロラクチック発酵段階でのSO2無添加。 |
熟成 | オーク樽で15カ月間熟成。月1回の滓引き、軽く清澄、ろ過後瓶詰。 新樽の使用 15% |
味わい | 輝きのある淡い黄金色/ アーモンド、ヴァニラ、白桃、アカシアの香り/ 柔らかな酸/ ムルソーのテロワールの特徴である、まろやかで後味の長いフルーティな味わい |
料理 | アペリティフ。ハム、テリーヌなどの前菜、エスカルゴ、クリームソースなどを使った魚料理。サービス温度は8-10度。 |
メモ | 20年度ミレジムのヴァンダンジュは8月24日。暑く乾燥した天候の年。数年で飲み頃を迎えるが、2030年ころまで熟成は可能。 |
BOURGOGNE HAUTES COTES DE BEAUNE ROUGE “LE CRETOT A GAUCHE”
ブルゴーニュ オート コート ドゥ ボーヌ ルージュ ” ル クレト ア ゴーシュ “
原産地呼称 | AOC:BOURGOGNE HAUTES-COTES DE BEAUNE |
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品種 | ピノノワール100% |
タイプ | 赤 | 平均樹齢 | 40年 |
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収穫年 | 2018 | 栽培面積 | 0.32ha |
ALC | 12.8% | 収量 | 45hl/ha |
生産本数 | 1200本 | 取得認証 |
土壌 | ボーヌの北東ブーズ・レ・ボーヌ村にある標高400mの南東向きの畑。ル・クレト・ア・ゴーシュという名前の小区画。石灰質の岩盤の上に広がる多様な厚さをもつ小石の多い粘土石灰質土壌。ポマール村にも近く地面3〜4cmに鉄分を多く含む層がある。 |
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栽培 | 畑仕事を丁寧に行う。ビオディナミも取り入れた減農薬農法(リュットレゾネ)。肥料は堆肥を用いる。必要に応じグリーンハーベストを行う。収穫は手摘み。 |
醸造 | 除梗・破砕し、葡萄についた酵母菌により、20hlのステンレスタンクで16-33℃で15日間発酵させてゆく。1日2回ピジャージュ・ルモンタージュを施し、ゆっくりと味わいを抽出。その後自然な形でマロラクティック発酵を促す。 |
熟成 | 12か月をオーク樽で、その後2カ月間ステンレスタンクで熟成。滓引き後、清澄ろ過作業を行わず瓶詰。新樽の使用 10% |
味わい | 落ち着きのあるルビー/ 赤い小さな果実の香り/ しっかりとした酸と豊かな果実味/ 細やかなタンニン / フルーティーでバランスの取れたミディアムボディの赤ワイン |
料理 | 肉の前菜、鳥や鴨、赤身肉のロースト、チーズなど。提供温度は16度が望ましい。 |
メモ | 飲み頃は瓶詰後2-5年 |